L-O-V-Eを使ったルートレスヴォイシング02

ピアノキャットです。

これまでBlue Bossaを使って根音省略(ルートレスヴォイシング)の簡単レシピを紹介してきました。
ベースと一緒に弾くにあたってツーファイブワン
3rd 5th 7th 9th → 7rd 9th 3rd 13th → 3rd 5th 7th 9th
で弾くと、ルートの音被りを楽に回避できますよ、という話でした。

でも、それってBlue Bossaだけの世界じゃないの?
たまたまそれっぽく合致しただけじゃないの?
……と言われるかもと思い、今回はL-O-V-Eという曲でも同じことをやってみます。
ナッキンコール!

いけるならいく、という発想がジャズでは大切です。
だっていけるんでしょ? たまには自分の最高の実力をだすべきじゃないの?
ということで、ツーファイブワンにできそうなところは、積極的にツーファイブワンに改編するのがよろしいです。

ここで注目すべきコードはC7F7です。

この曲は♭一つなのでFメジャー調の曲です。
Fメジャー調の場合、C7は? そうですね、V7ですね。
確か3か月くらい前に枯葉を使ってコードについて語った覚えがあります。

http://jazzpiano.space/2018/06/03/152/

ツーファイブワンⅡm7→Ⅴ7→ⅠM7でできています。
なので、V7にあたる個所があれば逆説的にツーファイブワンにできる可能性が高い。
じゃあ、ⅠM7はどこにあるの?と探せば、F6があるじゃありませんか。
これをFM7に変更すればドミナントモーションのできあがりですね。
ついでにC7→FM7→F6としておけば、6thの響きも残しつつ、ドミナントモーションできるというお徳用です。

ここまでくれば後は簡単で、Ⅱm7にあたるGm7を手前に加えてやればいいわけですね。
これにてGm7→C7→FM7→F6ツーファイブワンのできあがりです。
勝手にコードを足して怒られやしないかというと、そこはベースと事前に握っておけば問題ありません。

スタジオラグへおこしやす – コード進行の基礎知識。ドミナントモーション、カノン進行とは?

では、F7の方はどうなのでしょう。
FM7のバリエーションなのかなと思うかもしれません。
ところがどっこい、後ろのBbM7を見れば閃くはず。こいつIM7じゃないの⁈
つまりF7→BbM7Ⅴ7→ⅠM7なわけで、Bbメジャー調借用ということがわかるわけです。

ドミナントモーションの存在が発見されてしまったら、もうⅡm7を追加せざるをえませんね。
Cm7→F7→BbM7のコード改変でツーファイブワンのいっちょあがりです。
ついでにとCm7→F7→BbM7→Bb6としておけば、Fメジャー調でやったこととの対比になります。
あとこの位置に6thをもってきているのは、右手の音が6thだからという理屈もあります。
(譜面に〇印をつけているところ)

あとは納 浩一さんがジャズスタンダードバイブルでやってる謎のおしゃれ進行と、謎のターンアラウンドを書いておきました。
まだ僕には謎々にしか思えないので、いつかわかったら解説したいと思います。
まぁ、理由はきっとおしゃれだからでしょうね。おしゃれだったらなんでもいいんだぜ⁈

弾きました。

見てお分かりのように、簡単レシピを適用したら、ずいぶんと左手と右手の位置が寄ってしましたので、右手はオクターブでやってみました。
これを左手だけ一オクターブ下げて弾くと、音が濁ってしまうのが難しいところです。

ここで超便利アプリのiReal Proにご登場いただいてですね。
このようにちょちょいとコードを改変してですね。

で、さっき録音したやつに重ねてやると以下のようになります。
ピアノだけで根音省略すると違和感があったかもしれないバッキングも、ベースと合わさるとあら不思議!
意外とそれらしく聞こえるものです。
(ベース音が聞こえづらいかもしれず、イヤホンをつけるといい感じです)

今回は結構長く書いてしまいました。
ここまでおつきあいいただき、誠にありがとうございました。

次回はまたL-O-V-Eを使ってアドリブをやっていきたいと思います。

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